リアライン日記・・体のゆがみを取り除くリアライン・コンセプト: リアラインコンセプトcase study: 足関節捻挫後遺症(ねんざ後の不調)の解決策について

2011年3月27日日曜日

リアラインコンセプトcase study: 足関節捻挫後遺症(ねんざ後の不調)の解決策について

トップアスリートも、捻挫をきっかけに思い切ったプレーができなくなり、いつの間にかスポーツのプレーやメンタルにも影響が出てしまう例があります。その原因は”足首”とは自覚していない場合もあります。しかし、足首がノーマルな状態(プレー中に気にしなくても良い状態)になるだけでパフォーマンスが大きく改善する例もしばしば経験されます。

今日は症例ではありませんが、足首のねんざの後遺症についてまとめてみます。


◆足関節捻挫後の不調について
足関節捻挫(いわゆる足首のねんざ)はスポーツで最も多く起こるけがの一つです。外くるぶしが腫れるような状態でも、1-2週間のうちにスムーズに歩けるようになり、選手の自分の判断でスポーツに復帰する例も多くみられます。


復帰までは比較的早いのですが、復帰後はそれほどスムーズに完全な状態に戻れるわけではありません。

その理由は以下の3点にあります。
 ①捻挫をすると足首が不安定になり、捻挫を繰り返しやすくなる。
 ②捻挫後に一時的に固定(または安静)することにより可動域が制限され、それが回復しない。
 ③捻挫をした足をかばってスポーツを行うため、反対の足や骨盤に負担を掛ける。

① 通常テーピングやブレースで何とか再発を防いでいる場合が多いと思います。しかし、足首周囲を圧迫することで、皮膚や皮下組織が圧迫されて筋や腱の滑りが悪くなります。それがかえって可動域の制限を強める原因になります。

② 足首の動きが悪くなると、足首の骨同士の噛み合わせが悪くなって、さらに不安定になります。底背屈方向の運動が制限されるために、余計に足首を捻りやすい横の動きが増大してしまいます。

③ 反対側のねんざや膝のけが、疲労骨折などにつながります。また左右対称ではない運動を繰り返すことで、骨盤にもゆがみが生じ、腰痛を起こしやすくなってしまいます。


◆長引く不調から抜け出すためには
結論を先に書くと、不調から脱するには足関節の動きを完全に正常化する以外にありません。完全に正常な動きとは、“捻じれ”や“つまり”の一切ないスムーズな動きを言います。見かけ上の可動域の角度ではなく、骨どうしが、まったくスムーズに滑り合う状態を意味しています。

これが達成されると、痛み、締め付け感、不安定感が解消されます。

動きの正常化は、普通のストレッチやトレーニングでは達成できません。もちろん、これらの運動療法は必要かつ重要であることは言うまでもありません。しかし、それらを理想的なスケジュールで行ったとしても、足首の動きは必ず多少は悪くなります。しばしばその異常な動きは気づかないうちに固定化します。

そこから抜け出すには、リアライン・コンセプトに沿って、関節の動きをまずは正常化する治療法を進める必要があります。その概要は以下の通りです。

 ①足首の正常な動きを取り戻す
 ②足首の正常な動きに対して抵抗する組織の緊張を弛める
 ③正常な動きを習慣化する


①足首の正常な動きを取り戻す
 捻挫後の足首はまっすぐに動かなくなってしまいます。具体的には背屈(つま先を引き上げる動き)をすると、つま先が外に向くように捻じれてしまいます。
 
 その原因は、足首の内側の動きが硬くなるためです。特に内くるぶしのやや後ろの組織の動きが悪くなると、背屈する際に足首の内側だけが上手く滑らなくなってしまいます。外側は正常に滑り込むと、つま先は外に向いてしまいます(外返し)。
 外返しの状態になると、足首の骨の噛み合わせが悪くなって、不安定になります。外返しとなった足首は、かえって内反捻挫を起こしやすい状態に陥ってしまいます。

 〇推奨エクササイズ:ニーアウトスクワット
 その解決策としては、ニーアウトスクワットが効果的です。
  1)両足をつけた状態でスクワットを行います。
  2)膝を60度程度まで屈曲したところで、つま先を正面に向けたまま、両膝を左右に開きます。この時、足部に対して下腿(すね)は外旋します。逆に、下腿に対して足部は内旋することになります。
  3)両膝を外に開こうとしながら、ゆっくりと膝を伸ばします。

 この背屈位での内旋運動を繰り返すことで、徐々に足首の内側の滑りが改善します。それが完全な状態になると、真っ直ぐに背屈できるようになり、骨の噛み合わせもよくなるので背屈位でしっかりと安定した状態が得られます。

 ただし、重症のねんざ後など上の方法だけでは改善しない場合は、②の方法に進む必要があります。


②足首の正常な動きに対して抵抗する組織の緊張を弛める
 ねんざのときの腫れ、その後の固定、そしてテーピングやブレースの圧迫など様々な理由で、足首周辺の皮膚はその奥にある筋膜、腱、骨膜などと滑りにくくなります。皮膚をつまんでみて痛い場合は、正常な滑りが失われていることを意味します。

 特に滑走不全が起こりやすい場所は、
 1)アキレス腱周辺
 2)内くるぶしの上周辺(脛骨の骨膜上)
の2か所です。これらの部位の皮膚をつまんでみてください。つまんで痛くなければ、つまんだまま足首を動かしても痛くないはずです。もしつまんで痛ければ、足首を動かす時にその皮膚が足首の動きを邪魔しているのが感じられます。ねんざ後など動きが悪くなった状態では、皮膚をつまむことすらできないこともしばしばみられます。

 私のリアライン・コンセプトでは、このような正常な関節の動きを阻害するような皮膚や筋の緊張を徹底的に治療します。どこの皮膚をつまんでも、足首の動きと皮膚とが連動しないようになることが目標です。

 皮膚をつまんだままで足首を動かすと普通は痛みがります。しかし、3-4回足首をゆっくりと動かすうちに痛みが軽くなり、しまいには痛みが全くない状態になります。これでそのつまんでいる場所は足首の動きを邪魔しない状態が得られたわけです。これを足首の動きが正常になるまで繰り返します。


③正常な動きを習慣化する
 一度正常な足首の動きが得られた、スクワットやカーフレイズなどの足首の動きにおいて、痛みやつまり感が消失します。つまりスムーズで軽い足首がよみがえります。そうなると、骨どうしの噛み合わせもよくなって、背屈位の安定性も改善します。
 ここまで到達したら、次に足首周辺の筋肉を徹底的に鍛えて、筋肉によって足首を安定させる必要があります。その際、次の注意点があります。
 まず、ゴムチューブによる腓骨筋トレーニングは、噛み合わせの悪い外反位の足首に引き戻す! ゴムチューブを使っての腓骨筋のトレーニングは、つま先を外に向ける運動になります。これを繰り返すということは、つま先が外に向いた外反位を固定化する原因になります。これを防ぐには、つま先を外に向けずに足の裏の外側を引き上げる運動(回内)を繰り返すようなトレーニングを行う必要があります。

 このトレーニング法として最適なのが、リアライン・バランスシューズ(足関節用)を用いたトレーニングです。これは下の写真のような斜めのバランス軸(突起物)が足の裏についていて、この上でバランスを取るには、小指側を持ち上げる必要があります。

 つまり、普通にスクワットを繰り返すだけで、つま先を真っ直ぐに向けたままで、踵骨を回内するために必要な筋力を鍛えることができるわけです。

 捻挫の後のトレーニングとして、つま先を外に向けず、踵骨回内を行うことができるようになれば、ねんざ後の後遺症を劇的に軽減することができます。スポーツ現場やリハビリのトレーニングでは是非とも使っていただきたい道具になります。





⇒ 治療を受けたい方はアオハルクリニック「ゆがみ外来」にお越しください。
   http://www.aohalclinic.jp/



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