リアライン日記・・体のゆがみを取り除くリアライン・コンセプト: リアラインcase study: 鼠径部痛症候群

2011年6月25日土曜日

リアラインcase study: 鼠径部痛症候群

サッカー選手の引退を早める鼠径部痛症候群(別名スポーツヘルニア)に対する治療法は確立していません。少なくともその日のうちに痛みをほぼ消失させられる方法はなく、通常は半年から数年間も不調が続きます。サッカー選手限らず、多くのスポーツ選手がこの疾患で引退を早めている現実を何とかできないかと思っています。

アオハルクリニックでは、このような半年以上も治療効果が得られないような病態の方についても治療を行っています。身近なスポーツ選手で、この疾患に悩む選手をご存知でしたら、是非ご紹介ください。きっと解決策を見いだせると思います。


さて、以下は最近診療した症例です。
約5年前から鼠径部痛症候群に悩む実業団テニス選手の症例を紹介します。

痛みは鼠径部の他、会陰部、下腹部、大体内側、殿部、腰部など広範囲で、ストレッチや軽い運動も症状を悪化させる状態から抜け出せなくなっておられる症例です。レントゲン、MRIなどの検査ででは客観的な異常は確認できず。

<臨床所見>
①骨盤輪不安定症(仙骨が左右にグラグラ)
②恥骨結合(左上位)
③鼠径部拘縮(鼠径部上の皮膚が鼠径部の筋や鼠径靱帯に貼りついた状態)
④大転子拘縮(腸脛靭帯、大腿筋膜張筋・中殿筋間、大殿筋・外側広筋間など)

骨盤輪不安定症の原因には、両腸骨を外側に引く大転子拘縮が挙げられます。これを徹底的に解消することで腸骨を引き離す力が低下し、仙腸関節上部のform closureが獲得されます。

次に恥骨結合のずれに対しては、寛骨を前傾させる鼠径部の皮膚・皮下脂肪リリースを徹底的に行いました。これにより一側の寛骨前傾を解消できます。

以上の治療により、治療室内の足踏み、歩行、各種のストレッチ肢位など通常痛みが出る動作ではほぼ疼痛消失を得ることができました。ただ、大転子拘縮の状況としては、まだ解消とは言えず、今後疲労により再度寛骨を引き離す状態に戻る可能性があります。これには、ご本人にも腸脛靭帯周辺の皮下脂肪リリースを行っていただく必要がありそうです。

今後、数日のうちにご本人からのレポートがあると思いますので、それが届き次第続編をオップします。





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